[風を感じ、ときを想う日記](21)4/14
シクラメン
久しぶりの晴れ間に、彼女は喜びをからだ全体で表現していた。
昨年12月、わが家にやってきたシクラメン嬢は、今日も透きとおるような深紅の肢体を惜しげもなく陽光にさらしている。昨年もそうだったが、もう4ヵ月にもなるというのに、律儀に花を咲かせつづけている。
3日見ぬ間の桜に比べ、なんと長寿であることか。朝外に出し、夕方になったら家の中に入れてやりさえすれば、真冬から初夏まで半年近くも私たちを楽しませてくれる。
これでは商売にならないと、近所の花屋がぼやいていた。
そこで一句。
さくら散り きょうも真赤に シクラメン