あられとひょう

イメージ 1

イメージ 2

[エッセイ 456]
あられとひょう

 パソコンを開いて、さあ作業を始めようと思っていた矢先、ドカーンと大きな音がした。そういえば、先ほどから空が暗くなっていた。その大きな音は、冬には珍しい雷が、それもすぐ近くの上空で鳴り響いたものだった。急いで、パソコンをシャットダウンし落雷に備えた。

 雷鳴はそれきり聞こえなくなったが、それに代わってあられが勢いよく、それもまとまって降ってきた。あられは、庭石に当たって勢いよく跳ね上がっている。まるで、フライパンで豆を煎っているようだ。ばらまかれた白い粒は、それぞれがどんどんつながって、ついには庭一面に白いシートを敷いたようになった。

 そういえば、これらの白い粒は「雪」と呼ぶには固すぎるようだ。雪なら地面に落ちてもあれだけ跳ね上がることはない。やはり「あられ」というべきだろうか、いや、「ひょう」と呼んだ方が当たっているかもしれない。早速、手元の広辞林を開いてみた。

 あられとは、「空中の水蒸気が急速に固まって降る白色不透明な結晶の小さいかたまり」。ひょうとは、「主として雷雲の中から降ってくる氷塊。大きさは普通豆粒ないし鶏卵ほどで、農作物に大被害を与えることがある」。とあった。しかし、先ほど降った白い粒は、あられに近いがちょっと違うような気もする。

 あられよりふわふわしているので「雪あられ」とかなんとかいった方がしっくりくるのではなかろうか。そこで、ネットで調べてみた。あった、そのとおりだった。あられは、「雪あられ」と「氷あられ」に分けることもできるという。そのなかで、ブリタニカ国際大百科事典の解説が私には一番しっくりときた。

 雪あられとは、「白色で不透明な氷の粒の降水。雪の結晶に氷の粒(雪粒)が付着して、結晶の原型がわからなくなったもの。粒は球状か円錐状、直径は2~5ミリで、もろくて容易につぶれる。単にあられと呼ばれることが多い」。

 氷あられとは、「半透明の氷の粒の降水。一般にこの構造は雪あられを核とし、薄い氷の膜で覆われているために、氷のような外観を呈する。固くて割ったり押しつぶしたりすることは難しい。ひょうと同じように、雪あられが落下するとき部分的に溶け、それが上昇気流で再び上昇させられて凍ることを繰り返したり、雪あられに水滴が衝突して凍ったりしてできる」。

 要するに、表面がふわふわしているあられが「雪あられ」で、小さいひょうが「氷あられ」ということになるのではなかろうか。いずれにしても、結果は雪が積もったときと同じ状態になった。わが家の周辺では、「積雪2センチ」といった風情に一変し、それが朝まで残った。

 おかげで、楽しみにしていたグラウンド・ゴルフは中止になってしまった。
(2017年2月11日)