三つの春

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[風を感じ、ときを想う日記](561)3/8
三つの春

 南関東では、染井吉野が3月中に満開を迎えるという。ここ数日の温かさで、桜の開花予想も前の方にぐっと繰り上げられたようだ。そういえば、わが家の遅咲きの豊後梅も一気に開いてきた。梅のたぐいでは、まだ枝垂れ梅が残っているが、このままでは桜の仲間に追い越されてしまいそうだ。

 熱海市内に何種類も植えられている早咲きの桜たちは別格としても、この辺りのそれは河津桜が一番手となる。まだ咲き初めて間がないので、マダラ状態からは脱しきれていない。それでも、あの桃色に近い鮮やかなピンクで、樹木全体が覆いつくされるのも時間の問題であろう。

 梅、桜とくれば忘れてはならないのが桃である。桃は桜とほぼ同時期に咲くが、この辺りでは桃がやや先行するといわれている。桃といえば東日本では甲府盆地が有名である。笹子トンネルの修復も終わったようなので、たまには山梨方面に出かけてみるのも一興ではなかろうか。

 このようにして、梅、桃、桜、三つの春が次々とやってきて、私たちを間断なく楽しませてくれる。一方、北の国では、遅い春の到来とともに花々が一斉に開きだす。梅も桃もそして桜もほとんど同時である。これら三種類の花が一度に咲きだすことから、地名に三春とつけられたという話まである。

 時期はともかく、あたりが花で埋められれば私たちの心も浮き立ってくる。