[風を感じ、ときを想う日記](33)5/10
つつじ
この時期、どこへ行ってもはなやかなつつじの群落が目に飛び込んでくる。
わが家の近辺はやや盛りを過ぎたが、これからは箱根方面が見ごろとなる。箱根といえば、箱根神社の隣にある山のホテルのつつじが有名である。
ある年、入園料を払うほどならコーヒーでも飲んで、そのついでに花を見せてもらおうとしたことがある。結果は、コーヒーラウンジと庭園は完全に仕切られており、二重に代金を支払うことになってしまった。
それにしても、密集したつつじの花はなぜこんなにもきれいに見えるのだろう。つつじの美しさは、それを見る角度に大きな秘密があるのではなかろうか。
桜などの木の花は下から見上げるが、つつじは上から見下ろすのが普通である。花が一番きれいに見える正面から覗かれるのが強みといえる。高木が逆光になりがちなのに反し、つつじは太陽光線を正面から受け、いっそう輝いて見える点でも得をしている。