2006-01-27から1日間の記事一覧

あかぎれ

[エッセイ 113] あかぎれ 苦学中の彼は、風の便りに母があかぎれで苦しんでいることを知った。よく効くと評判の軟膏を懐に、故郷にとんで帰った。雪の降りしきる井戸端で、水仕事に精を出すうしろ姿にそのことを告げると、すぐ引き返して学問に励めと、母は…