三の酉

[風を感じ、ときを想う日記](1154)11/28

三の酉

 

 今日11月28日は三の酉にあたる。十二支の一つである酉の日は、12日ごとに必ず廻ってくる。それが11月になると、「酉の日」としてわざわざ取りあげられるのは、この月のこの日に限って酉の市が開かれるためだ。関東地方の、それも特定の社寺に限ってのことだが、参道に露店が並び縁起物の熊手が売られる。あの景気のいい手拍子には、誰もが勇気と元気をもらうことができる。

 

 もう一つ、「三の酉まである年は火事が多い」といわれている。その年は活気がありすぎて、火事にまでつながるような熱気があふれてくるためだそうだ。しかし、過去の統計を見ても、そのような傾向はどこにも見られない。それでも、これから本格的な冬を迎えるので、火の元には十分に気をつけなければならないことはいうまでもない。

 

 ところで、11月の三の酉がわざわざ取り上げられるほど珍しいのだろうか。干支は12種類あり、それが日毎順番に廻ってくる。酉が月初から6日までにあれば、その月には三の酉があるということになる。つまり確率は5割、2年に一度は11月に三の酉が現われることになる。しかし、景気のいい年と悪い年、あるいは火事の多い年と少ない年が交互にやってくる保証はどこにもない。

 

 こんなつまらないことを一体誰が言い出したのだろう。ただ、珍しいことをやれば儲かる、変わったことをいえば注目を集めると思っただけかもしれない。