[風を感じ、ときを想う日記](1067)10/11
十月の風
今月の「ゆうゆう通信」には、巻頭の挨拶として次のような小文を載せた。
・・・この季節になると、黄色いセイタカアワダチソウの群落が目立つようになってきます。その勢いに、一時は日本中が占領されるのではないかと心配されたものです。しかし、あの黄色い集団はそれほど広がらず、最近は縮小してきているようにさえ見られます。
この花の栄枯盛衰は、アレロパシー、日本語で他感作用という現象によるものだそうです。周りに障害を与え、自分だけ繁栄しようといういうもので、それを一番強く発揮できる植物がこの背高泡立草だそうです。ところが、繁栄しすぎると、自身に跳ね返えってきていわゆる自家中毒に陥り、成長した群落は反転縮小へと向かうそうです。
せっかく、自粛の姿勢を見せ始めているのですから、少し優しく見守ってあげましょう。・・・
あの植物は、アメリカから輸入貨物にくっついてやってきたものといわれている。大変心配されたが、アレロパシーによってひところの勢いを失っている。実は、同じ現象がアメリカでも起きている。日本原産のススキが輸出貨物とともにアメリカに渡り、彼の地で我が物顔に繁栄を謳歌しているというのだ。
植物の世界でも、日米のせめぎ合いが繰り広げられているようだ。
注)詳しくは、エッセイ569「セイタカアワダチソウ」を参照ください。