三の酉にまつわる迷信

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[風を感じ、ときを想う日記](999)11/14

三の酉にまつわる迷信

 

 今日、11月14日は二の酉に当たる。主に関東地方でのことだが、特定の社寺ではこの日に酉の市が立ち、参道に並んだ露店で縁起物の熊手が売られる。酉の市は、11月中に現われる酉の日に限り開かれる。

 

 干支は12日サイクルなので、11月に酉の日が現われるのは2回のときと3回のときがある。西暦2000年以降の20年間で三の酉まであった年は、通算11回である。よく、三の酉まである年は云々といわれるが、半分以上の確率で現われるので取り立てて珍しいことではない。

 

 今年も、二の酉が月の前半にあらわれたので、今月中にもう一度酉の日がやってくる。今年は14日の12日後、26日が三の酉ということになる。三の酉まである年は活気がありすぎて火事が多いと伝えられている。

 

 この言い伝えは、江戸の大半を焼き尽くした明暦の大火のあった明暦3年(1657)が、偶然三の酉まであったことに由来するようだ。念のために東京消防庁のホームページを開いてみた。「消防雑学事典」の「三の酉の年は火災が多い?」という項には、統計的にもまったく根拠がないと記載されていた。

 

 こうした言い伝えとは裏腹に、今年活気を得たのはコロナウイルスだけだった。それも、日本はもとより世界中がコロナの活力に振り回された。おかげで「庶民の台所は火の車」というのが実態ではなかろうか。